8ミリ映写室#2終了

更新日:2022.02.28

8ミリ映写室#2「あだちのきおく」(2013)は足立区制80周年記念事業として制作された、東京下町シリーズ第2弾です。山山食堂は今回も満席。大人12名、子ども1名が、2月最後の日曜日の夜に集まってくれました。

上映後の座談会は、一人一人が映画を見て感じたことを熱く語る時間となりました。

「撮ってる人のカメラの奥の目線が感じられた、貴重な生活史、すばらしかった」

「火力発電や支那事変など国のエネルギー政策とそれに翻弄される庶民、それを蹴散らす人々のパワーなども感じられ、よかった」

ーQ三好監督に質問!多くの映像素材の中から、三好監督のフィルターを通して全て切り取られたものですが、どこを1番大切にしているのか?

ーA「1つはその土地らしさが見える、感じられるもの。今回であればおばけ煙突のようなランドマーク。2つ目は、撮っている人の眼差しや思いがより強く出てるもの。3つ目は、どこにでもある日常の風景、普遍的な記憶。」

「はじめの数十秒で涙が出てきた。撮影者の眼差しに自分が入ってる感覚、動揺した。実家に残っている写真にも切り取られた眼差しを感じるが、動画はもっと心が揺さぶられる。この眼差しをとっておいて欲しいと思った。また来たい」

「水木しげるの本におばけえんとつ載ってたから僕おばけえんとつ知ってる」
(食い入るように静かに見ていた。4年生のお母様談)

「冒頭に感極まった。記録映画(客観)と地域映画(主観)の違いなんだろうな。全然違う家族だけれど、どこかで、あ、そうそうというところがある。自分の家族を同時に見てるのかも。昔のフィルムを見ながら、家族が会話するシーンが好き。かつての子供たちと現代の子供たち、違いをよく言われるけれど、この環境に放てば、今の子供も同じようだと思う。」

「かえって今、デジタルで撮ったものを8ミリ風に加工したりするけれど、今日はじめて本物を見て、やっぱり全然違う。色も粒子も奥行きとかデジタルでは絶対に出せない」

「映写機の映像の色が鮮やかで驚いた。フィルムのよごれや傷やよれ、枠が入っていたり、文字が書かれていたりはどうやってやっているのか。映像としての新鮮さを感じた。」

「寅さんが好きで、中でも人の動きや仕草が今と違うのが面白く、映画の中だからと思っていたが、今日のフィルムに映っている普通の人々もそうだった。失われた仕草や動きがあるということがわかった」

「喋り方も違った。標準語とは、広辞苑。発音が書き換えられている。どのタイミングで?」

「今、フィルムでかつての生活史を一般市民が目撃できるということは結構すごいことで、とても新しいことだと思う。」

そして、この日からインターン研修生として弊社に参加していた女子大生Mさんが今日の会を手書きで表現してくれました!

次回の8mm映写室は、3月10日(木)「よみがえる大船渡」「よみがえる浪江町」の上映です。
「よみがえる大船渡」ダイジェスト
https://alps-pictures.jp/works/ofunato/
「よみがえる浪江町」ダイジェスト
https://alps-pictures.jp/works/namie/